作家 唐木田伊三男

作家唐木田伊三男

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1985年~87年  愛知県の陶芸専門学校に学ぶ。
1987年~現在  唐木田陶園にて、松代焼・レンガを素材としたオブジェをつくる。
1998年 国際陶磁器展美濃98入選。
2000年 現代日本陶彫展 特別賞
2004年 明かりのオブジェ展
2017年 第24回 日本陶芸展入選

 
◆NHK長野放送局「わがまちの手仕事:松代焼」で紹介をされました。
http://www.nhk.or.jp/nagano/teshigoto/100518.html
 

歴史松代焼の始まりは、約210年前の江戸後期です。浮世絵師の葛飾北斎が生きていた時代とも重なります。
このころ陶器の世界においては、有田焼などすでに200年あまりの伝統を有しておりました。その中あえて時代を遡るようなスタイルで出てきたものでした。その後最盛期には十数もの窯が存在したのですが、その歴史記録を先代の又三がすべて調べあげました。今から半世紀も前の事になります。そして200年前と同じ原料と製法にこだわり復元を成功させました。
 
青ー松代焼のDNA
img_wanその結果得られた風合い、発色は他の焼きものでは得られないものです。全体に青みが出ていますが、これはコバルトなどの顔料によるものではなく、地元で採れた原料の性質によるものです。奇しくも信州の澄んだ空や水を連想させるような発色となりました。緑がかった部分には銅が使われています。これは「やき」によっては赤く発色します。また所々ピンクがかったムラがみられます。これは下塗りの化粧土が厚くなったもので、一相の変化を与えています。松代焼には素朴な温かみなどといった簡単なフレーズでは全くない豊かな感性が隠されていたと思われます。この宝物のようなDNAを発揮させてゆき、できるならば有田焼の色絵や北斎の絵画に一歩でもせまるような色彩的調和を持ちたいものです。まだまだ発展途上にあると言えるでしょう。
作陶活動は松代焼にとどまらず、オブジェ制作や鮮やかなコバルトブルーが特徴的な「青釉」制作にも取り組んでいます。
 
青釉とは・・・
img銅をあざやかな青に発色させた焼きものの起源は、役5000年前の古代エジプトにまで遡ることができます。その後ペルシャなどの中東地域でも焼かれるようになりました。これら古い時代の陶器に強くひかれたのをきっかけに作りはじめました。銅は不思議な物質でコバルトのような青と緑を同時に発色します。これに黄系の色を加えましたが、これらはイスラムのモスクのタイルにもみられます。
 
2014年長野県伝統的工芸品に指定された松代焼の伝統的な工程を守りつつ、また新たな分野へと作陶活動の幅を広げていきたいと考えております。
 
オブェ 松代焼のブロック 松代焼 オブジェ