唐木田窯の歴史

唐木田窯の歴史

かつての松代焼窯

墓地の向こうの傾斜地に窯があった

唐木田窯は先代唐木田又三が一度は絶えてしまった松代焼の復活をさせたところから始まります。
松代焼は、現在よりさかのぼること210年、文化13年(1816年)松代藩にて始まった焼き物です。最盛期には、その系統の窯が20を数え、松代焼きは信州を代表する民窯でしたが、明治頃より次第に窯数が減り、遂には窯が途絶えてしまいました。
 
創業当初の唐木田窯

創業当初の唐木田窯 中央:真田家十二代目当主(S48)

かつては松代藩の藩窯として護られ生産を続けてきた伝統的な技法を様々な研究の成果からようやく復活を遂げたのが先代唐木田又三ということになります。
松代焼の復活は12代真田藩主も大変お喜びになり、感謝の印として12代当主真田幸治様から表題にも使用している「書」を受け賜わり現在も大切に受け継いでいます。右の写真は現在の地に創業した昭和48年当時の写真で中央に眞田幸治様、その左に創業者に唐木田又三、そして左端の少年がが私唐木田伊三男です。
著:唐木田又三 『信州松代焼』

著:唐木田又三 『信州松代焼

このたびホームページの刷新をするにあたり、より多くの方々に松代焼の歴史と復活の道を知って頂きたく、先代唐木田又三が松代焼の歴史と復活の研究過程を記した著書を電子書籍として一般公開をさせて頂くこととしました。ご興味を持たれましたらお時間のあるときにお読み頂ければ幸いです。本文の一部抜粋を「松代焼復刻の歴史」に転載をしております。
 

 
左端 唐木田又三

左端 唐木田又三(S40)

さて明治には完全に窯が途絶えた松代焼ですが、研究を先代又三が小さな窯を最初に開いたのが、真田家のお膝元ともいえる長野県長野市松城町殿町というところになります。ここで伝統的な技法を復活させて安定的な生産ができるようになり、本格的な築窯をしたのが現在唐木田窯のある、長野県長野市篠ノ井山布施という場所になります。
近年陶器の生産に使用するのはほとんどの場合「ガス窯」を使用して焼成を行うのですが、往時の技法を完全に復活させた又三はここに本格的な「登り窯」を2つ築窯し、現在も窯がそのままに残っています。
最盛期には多くの職人が在籍し松代焼の生産をしておりましたが、それぞれ陶芸家として独立をされ、長野市内などで窯元としてご活躍されております。
唐木田窯は現在2代目の唐木田伊三男が作陶を行っております。すべての工程を一人で行うため品質にバラつきのない安定した生産を可能としているのです。